翻訳コラム
2018.11.26
医療翻訳とは他の翻訳よりも難しい?
技術翻訳や特許翻訳、金融翻訳、IT翻訳など実務翻訳にはさまざまなジャンルがありますが、そのなかでも特に難易度が高いとされているのが「医療(医学)翻訳」です。
その名の通り、医学や薬学に関する翻訳で、医学論文やジャーナルへの投稿記事をはじめ、研究開発のドキュメント、学会資料、医療機器のマニュアル、副作用症例報告書、新薬の申請書類などの文書を扱います。医療に対する専門知識や日々進歩する新しい技術や治験に対する理解なども求められるため、精度の高い医療翻訳を求めるのであれば、医療翻訳の実績がある翻訳者に依頼をするのがおすすめです。
そこで今回は、医療翻訳の基礎知識と併せて、医療翻訳を外注する際のポイントについて詳しく解説していきます。
Index
医療翻訳とは?
医療翻訳というのは、その名の通り「医学や薬学に関する翻訳」のことで、実務翻訳のなかでも特に難易度が高く、かつ最も需要の高い翻訳のひとつです。ちなみに、医療翻訳を専門に行っている翻訳者のことを「メディカル翻訳者」と呼びます。医療翻訳が扱う文書は多岐に渡りますが、大きく以下の4つに分類することが可能です。
①学術系翻訳
医学論文や医学書、医学系ジャーナルの記事、学会用の原稿、国際的な学会でのプレゼンテーション資料の翻訳などがこれにあたります。
②医療機器に関する翻訳
医療機器の研究開発や治験などに関する文書や承認申請書類などの翻訳、取り扱いマニュアルの翻訳などです。また、外資系の医療機器メーカーが日本で機器を販売する場合の申請書類、カタログ、販売資料などを翻訳するケースもあります。
③医薬品に関する翻訳
製薬会社などが新薬を開発する場合のドキュメントや、新薬の承認審査に関する翻訳、新薬発売後の副作用症例報告書の翻訳などです。医療翻訳のなかでも特に需要が高い分野だと言われています。
④その他医薬部外品などの翻訳
①〜③以外の医薬部外品やバイオ関連の翻訳です。
翻訳のプロじゃないと難しい? 医療翻訳が難しい理由
製薬会社や医療機器メーカーなどでは、実にさまざまな書類が医療翻訳を必要としています。医学ジャーナルに掲載する論文や、国際的な学会で使う資料などは英語に翻訳されるのが一般的ですが、新薬や承認申請書類などのなかには多言語翻訳が求められるケースも多いため、自社で内製するということはまず困難で、翻訳のプロへ外注するのがベストだと理解すべきです。
では、なぜ医療翻訳が他の実務翻訳と比べて難易度が高いと言われているのでしょうか。その理由を詳しく見ていきましょう。
専門用語が多いため
医療翻訳では日常生活ではまず耳にすることのない専門用語が多用されます。英語はもちろんラテン語が使われていることも多く、正しい翻訳に仕上げるためには、そういった専門用語を全て理解して翻訳を行わなければなりません。
翻訳技術だけでなく医療分野の知識が必要になるため
医療翻訳を必要とする文書の多くは、非常に重要度の高い書類です。そのため、一般的な翻訳技術だけではなく、専門用語をはじめとした医療分野の知識を正しく身につけている必要があります。
新しい技術や新薬の発表が早いため
医学の世界は日々進歩しているため、数年前には不可能とされていたことが可能になったりすることも珍しくありません。医療翻訳を行う場合には、次々に開発される新薬や新しい技術について、翻訳者自身が常に知識をアップデートする必要があるため、医療翻訳を専門にしている人でないと追い付けない場合が多いでしょう。
人の命にかかわる現場であるため誤訳は許されないため
医療翻訳は医療に関する翻訳ですので、その多くが人の命に関わるもので、ひとつの誤訳が大きなトラブルを引き起こしてしまうこともあります。そのため誤訳は絶対に許されません。副作用症例報告書や医療機器の取り扱い説明書などをはじめ、完璧な精度で翻訳されなくてはいけません。
医療翻訳を依頼する際の外注先の選び方
医療翻訳を行う場合には、医療業界の専門用語に対する知識はもちろん、翻訳する文書の背景知識をきちんと理解していなくてはいけません。そのため、翻訳サービスを行っている会社ならどこでも良いというわけではなく、医療翻訳に強い翻訳会社を見つけることが大切です。
では、実際に医療翻訳を依頼する場合、どのような点に気をつければ良いのでしょうか。医療翻訳を依頼する外注先の選び方について、注意すべきポイントを詳しく見ていきましょう。
医療翻訳が得意もしくは実績のある会社
医療翻訳というのは専門性が高いため、翻訳会社によっては対応していないところもあります。依頼する場合には、医療翻訳を得意としているかどうか、医療翻訳の実績が十分にあるかどうかを必ず確認しておきましょう。
人力翻訳で翻訳作業をしている会社
医療翻訳は専門性が高いため、機械翻訳では文章が成り立たないだけでなく、翻訳の精度が大きく下がってしまい、誤訳の危険性もあります。医療翻訳を依頼する会社は、文章のすべてを人力翻訳で翻訳しているところを選定するようにしましょう。
見積もり、翻訳作業の対応が早い会社
医療翻訳を必要とする書類の多くは、新技術や新薬などが登場した場合にいち早く情報を出す必要があるため、依頼から納品までのスピードも重要になります。見積もりや翻訳作業の対応が早い会社を選ぶようにしましょう。
医療翻訳について悩みを抱えている場合にはぜひ翻訳会社FUKUDAIへご相談ください
さまざまなジャンルがある実務翻訳のなかでも、特に難易度が高いとされる医療翻訳。精度の高い翻訳を希望するのであれば、やはり内製ではなく医療分野に詳しい翻訳会社へ外注するのが理想的です。
翻訳会社FUKUDAIでは、簡単な翻訳だけではなく、医療翻訳や契約書翻訳など難しい分野での翻訳も承っております。もし、医療翻訳に関するお悩みがある場合には、FUKUDAIまでぜひお気軽にご相談ください。
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