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2021.04.03

無料翻訳サイトのセキュリティリスクと安全性を確保しながら効率的に翻訳する方法

2015年2月、クラウド翻訳サービスに入力した文章が無許可でインターネット上に公開され、問題になりました。社外秘の文章も漏れ、多くの方に不安を持たせた大きな事件です。無料翻訳サイトは便利ですが、翻訳サイト、特に無料翻訳サイトについてはセキュリティについて不安を感じる方も増えてきたのではないでしょうか。
そこで、今回は無料の翻訳サイトを使った情報漏洩の問題性やセキュリティ面、また株式会社FUKUDAIがどのように安心・安全な翻訳に取り組んでいるかをご紹介いたします。

無料の翻訳サイトを使った「情報漏洩」が危険

無料の翻訳サイトは便利な分、いくつかの大きなデメリットも存在します。特に「情報漏洩」に関しては危険ともいえる部分が多くあります。その内容について、詳しくご紹介いたします。

実際にあった無料翻訳ツールによる情報漏洩の事例

2015年、無料翻訳サービス「iloveTranslation」で重大な情報漏えいが発生しました。利用者が入力した翻訳内容が意図せずインターネット上で公開され、政府機関や金融機関の内部情報、弁護士と依頼者とのやりとりなど、極めて機密性の高い内容までもが流出したのです。
原因は、翻訳サイトの初期設定に問題があり、「翻訳品質向上のために内容を保存する」と明記されたチェック項目がデフォルトでオンになっていたこと。ユーザーがそのまま翻訳を実行すると内容が自動で保存・公開され、検索エンジン経由で誰でも閲覧できる状態になっていました。
この事件は、翻訳ツールを含むWebサービス利用時の情報管理意識の重要性を示しています。特に企業や専門職においては、情報漏えいリスクを常に念頭に置いた利用が不可欠です。

クラウドサービスの翻訳も安全性には要注意

クラウド翻訳サービスは基本的に「どんな仕組みかわからない(ブラックボックス)」状態であるのがほとんどです。また、不特定多数の翻訳者が作業をし、秘密保持の契約(NDA)がなされていないこともあります。
安全性という面では非常に危うい部分があり、100%安全であるかの保証はできない、という部分があることを理解しておかなくてはなりません。

情報漏洩が企業にもたらす深刻な影響

情報漏洩が起こると、企業の信用は大きく損なわれ、顧客や取引先からの信頼を失う恐れがあります。その結果、契約の打ち切りや顧客離れが進み、業績の悪化にもつながりかねません。さらに、漏洩したデータが悪用されると被害が拡大し、高額な賠償責任を負う可能性もあります。
日本ネットワークセキュリティ協会(JNSA)の2019年の調査では、情報漏えい1件あたりの平均損害賠償額は約6億3,700万円と試算されています。原因の調査や再発防止策の構築にも多くの時間とコストがかかるため、企業にとって情報管理は極めて重要な課題です。

機密情報は翻訳会社に任せるのが安心です

契約書やプロジェクト資料等の機密情報を翻訳する際には、しっかりと機密保持を行っている翻訳会社に任せるのが最も安心といえます。しっかりとしたセキュリティ管理とデータの暗号化や通信化等が行われ、情報が外部に漏れないよう細心の注意が払われています。機密情報はできる限り翻訳会社に依頼されることをお勧めいたします。

無料翻訳サイトのセキュリティについて

確かに危険性もある無料翻訳サイトですが、上手く使えば非常に便利です。では、無料の翻訳サイトで翻訳する際には、どのような点を意識し、気をつければ良いのでしょうか。
この項目では、無料の翻訳サイトを利用する際に注意したい点についてご紹介いたします。

まずは「利用規約」を読むことから

無料の翻訳サイトのほとんどには、利用規約として「利用者がアップロードした文章は、サイト運営者が自由に使用できる」と書かれているものが多いようです。ただし、サービス向上や個人情報を特定できるような文字列を削除する、送信テキストを無効化する等の措置を取っているサイトもあり「使い方次第」であるともいえるでしょう。これらは全て利用規約に書かれていますので、まずは利用規約に目を通してから使用するかどうかを決めていくと安全です。

入力内容は「自動的に収集」されることが大半

利用規約にしっかり記載されているとはいっても、実情はどうか誰にもわからないのが、無料翻訳サイトの難しいところです。利用規約の内容を確実に保証してくれるかどうかは定かではありません。
また、一例を出すとGoogleの翻訳サービスは、Googleによって自動的翻訳内容や単語が収集されています。それがどう使われるか不安な場合は、やはり使うのを控えた方が賢明といえるでしょう。

主要な無料翻訳サイト・ツールのセキュリティ

こちらでは、主要な無料翻訳サイト・ツールのセキュリティについて解説します。

Google翻訳

Google翻訳のWeb版には、サービス全体に共通する「プライバシーと利用規約」が適用されており、特別な注意事項が個別に記載されているわけではありません。そのため、ユーザーが入力した内容は他のGoogleサービスと同様に取り扱われると考えられます。
2024年3月時点のGoogleのプライバシーポリシーでは、氏名やパスワードだけでなく、メールや写真、ドキュメント、YouTubeのコメントなど、ユーザーが作成・受信・保存したあらゆるコンテンツが収集対象であると明示されています。

これらの情報は、サービスの提供・改善・パーソナライズ・広告表示・新サービスの開発など、さまざまな目的に活用されるとされています。また、これ以外の用途に使う場合には、事前に利用者の同意を得るとしています。
一方、Googleが提供する有料の翻訳API「Google Cloud Translation AI」では、データの所有権は顧客にあり、Google側が利用することはないと明記されています。Google Cloudでは、厳格なセキュリティとプライバシー保護のもと、顧客のデータを安全に管理しています。

Microsoft翻訳

Microsoftの翻訳サービスは、用途に応じて無料・有料の2種類が提供されています。無料サービスには、Bingの検索翻訳やWeb版のMicrosoft翻訳、スマホ向けの翻訳アプリ、Edgeブラウザの翻訳機能の4つが含まれます。
一方、有料版では「Microsoft Office」製品に搭載された翻訳機能や、Azure上で利用できる「Azure AI Services」の翻訳APIが提供されています。
セキュリティ面については、有料版のAzureやOffice製品では「送信されたテキストや音声は記録されず、AIの学習にも使われない」と明記されており、機密性が確保されています。

一方、無料サービスでは「入力された内容はサービス改善のために保存される」とされています。
また、Microsoftのプライバシーポリシーでは、ユーザーの操作や設定、利用する製品によって収集される情報が異なると説明されています。企業や教育機関向けサービスでは、契約内容に基づきデータが管理されるとしています。

DeepL翻訳

DeepLの翻訳サービスは、無料版と有料版(DeepL Pro)で利用規約が分かれています。
無料版では、入力されたテキストが一時的にサーバーに保存され、AIの精度向上のために活用されるとされています。また、2024年6月時点の規約では、「個人情報を含む内容は入力しないように」と明記されており、そうしたデータを翻訳したい場合はDeepL Proの利用が推奨されています。
一方、有料版のDeepL Proでは、ユーザーの入力データはサービス提供に必要な範囲でのみ保持され、翻訳処理が完了すれば保持されないとされています。さらに、顧客ごとの翻訳データは他に転用されることなく、その顧客の処理内に限って使用されると記載されています。
つまり、DeepLでも無料版では入力内容が収集・保存される可能性があるため、機密性の高い情報を扱う際は、有料版の利用が必須と言えるでしょう。

ChatGPTによる翻訳

ChatGPTでは、個人利用時には利用データが収集されますが、法人向けプランではこの限りではなく、データは学習に使用されないとされています。
また、生成AIを使用する際は、情報漏えい以外にも注意すべきリスクがあります。例えば、学習データの更新に時差があるため、過去の情報に基づいた不正確な回答が生成されることがあります。
また、生成された文章に第三者の著作権を侵害する内容が含まれている可能性もあり、そのまま商用利用すれば法的なトラブルに発展する恐れがあります。

株式会社FUKUDAIのセキュリティについて

株式会社FUKUDAIでは、お客様に安心してご利用いただけるよう、以下のようなセキュリティ対策を行っております。

  • ファイアウォール機能
  • ウィルスブロック
  • ワーム/トロイの木馬の不正侵入対策
  • URLフィルタリング機能(不正アクセス防御)
  • Webアンチウィルス防御
  • ネットワーク攻撃・DOS攻撃へのアクセス遮断
  • データ盗聴(なりすまし)防止
  • 機密情報漏洩、改ざんの防止

他にも、事務所の出入り口をオンラインセキュリティで常時監視する、機密文書は社外への持ち出しを禁止し、弊社のシュレッダーで破棄する等、様々な観点から情報漏洩の防止に努めています。
株式会社FUKUDAIのセキュリティ対策はこちら

まとめ:機密情報・重要書類の翻訳は安心安全な株式会社FUKUDAIにお任せ下さい!

無料の翻訳サイトに機密文書や重要書類の内容を記載して翻訳することは非常にリスクが高くなります。弊社ではお客様からお預かりする情報に細心の注意を払い、機密情報・重要書類の翻訳には万全のセキュリティとスタッフの機密保持規定遵守の徹底で多くのお客様から安心と信頼をいただいております。
機密情報・重要書類の翻訳をご希望される際には、ぜひ株式会社FUKUDAIにご相談下さい。

FUKUDAIの翻訳サービス

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監修者

翻訳会社FUKUDAI 代表取締役

鈴木 宏基

株式会社トーメンや株式会社ロームにて、10年以上にわたり海外営業に従事。その後、翻訳者としての経験を積み、株式会社福大を創業。翻訳事業を立ち上げ、代表取締役に就任。

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