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2022.01.25

財務翻訳で事前に決めておくべきスタイル項目について解説!

企業が作成する財務情報を翻訳する「財務翻訳」は、幅広いシチュエーションで使われるものです。翻訳に関する知識だけではなく、専門的な知識や翻訳技術が求められます。
その中でも「スタイル項目」は重要な要素です。「スタイル項目」とは文章の見た目の様式を定めたもので、財務翻訳文が見やすくなるかどうかを左右します。
そこで、今回は財務翻訳で事前に決めておくべきスタイル項目について、財務翻訳の詳細と共に詳しくご紹介いたします。

財務翻訳とは?

財務翻訳とは、企業の作成する「財務情報」を翻訳することで、以下のような書類が該当します。

  • 財務報告書
  • 監査報告書
  • 貸借対照表
  • 損益計算書
  • 投資信託説明書(目論見書)

財務翻訳には会計のスキルが欠かせず、また文章をそのまま翻訳するのではなく、翻訳先の国のスタイルや書式に修正し、読みやすいものに仕上げる必要があります。
特に財務翻訳のスタイルは、株主や投資家に対して違和感を抱かせず、読みやすい印象と内容にするためにも非常に重要な部分といえます。

財務翻訳で事前に決めておくべきスタイル項目は?

財務翻訳で事前に決めておくべきスタイル項目にはどのようなものがあるのでしょうか。主に日付や会計年度など、数値に関わるものが多く、あらかじめ決めておくことにより財務翻訳がスッキリと整います。ここで、その詳細について詳しくご紹介いたします。

1.数値の記載

財務翻訳の文章で用いられる数字は、基本的には1~10までをスペルアウト(アラビア数字を使用しない)し、11以上の数値をアラビア数字で記載することが多くなっているため、これに準じる形が無難です。順序を表す「序数」についても同じことがいえます。
例:five principles/13 organizations

さらに、金額の記載は、文章中であっても常にアラビア数字で記載します。
例:\3million/\30billion

異なる場合には必ず事前に決めておき、表記ゆれがないようにしましょう。

2.会計年度の表示方法

会計年度の表示方法は、スペルアウトをするのか省略系を用いるのかをあらかじめ決めておきます。
例:fiscal 2022/fiscal year 2022/FY2022

財務諸表はスペースが限られているため、できるだけ省略したい場合は例外があっても問題ありませんが、文章中におけるルールはできる限り統一しておくのがお勧めです。

3.日付の表示方法

日付の表示は翻訳先がアメリカか欧州(EU)かによって、アメリカ英語とイギリス英語を使い分ける必要があります。例をあげてみていきましょう。

  

 

アメリカ英語 イギリス英語
年月日 February 2, 2022 2 February 2022
年月 February2022 February2022

4.ナンバリング

ナンバリングは、階層と記載方法を明確にしておくことで、どの階層の何について記載されているのかが理解しやすくなります。こちらも例をあげて見ていきましょう。

  

 

 

和文 英文
第1階層 1.2.3. 1.2.3.
第2階層 (1)(2)(3) (1)(2)(3)
第3階層 ①②③ i) ii) iii)

5.「当社」・「当社グループ」の表示方法

財務翻訳の中では「当社」「当社グループ」という表現は多く用いられますが「英文においてどう訳すか」をあらかじめ決めておくことをお勧めいたします。
具体例としては以下のようなものがあります。

1.The Company/The Group
2.会社名をそのまま翻訳する

1を使用する場合には、文章内で初出する際に定義付けておくのが一般的なスタイルです。
例:Hukudai Co.,Ltd.(the”Company”)

6.勘定科目

勘定科目は、毎年金融庁が公表している「EDINETタクソノミ用語集」に合わせるのが通例となっています。
タクソノミで定義されていない勘定科目については、勘定科目をあらかじめ翻訳した後、用語集として定め、翻訳会社等と共有しておかないとミスや誤訳につながる可能性があります。
タクソノミは毎年更新されるため必ずチェックし、使用する勘定科目の確認をしておきましょう。

7.通貨単位

通貨単位のスペルアウトや、通貨記号を使用するかなど使用方法もできる限り統一しておきましょう。
例:10million yen/\10million

日本国内ではどちらも使用されていますが、海外の会計報告では通貨記号を用いることが多くなっています。
また、「ドル」など複数の国で使用されている通貨単位については注意が必要です。ドルは一般的に「米ドル(アメリカドル)」を指しますが、取引によっては香港ドルや台湾ドル、カナダドル、オーストラリアドルなどがあり、通貨の明確な識別が必要となります。複数の通貨を使用する場合、どのように識別するかを、あらかじめ決めておく必要があります。
他にも、「billion(10億)」といった大きな単位については、何桁まで表示するのかもルールに組み込んでおくと、より統一性がはかれ、見やすくなります。

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