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安全データシート(SDS)を翻訳するには?知っておきたい基礎知識を解説!

安全データシート(SDS)は、化学製品を流通させる際に化学物質リスクの情報提供として必ず添付することが義務付けられています。SDSは世界各国で普及している化学製品から人や環境を保護するために必要不可欠な文書です。

本記事ではSDSとはどのような文書なのかと、翻訳するための要件について解説します。

安全データシート(SDS)とは?

安全データシート(SDS)とは?

SDSとはSafety Data Sheet(安全データシート)の頭文字をとった略称であり、特定の化学物質に添付されている文書を指します。
SDSの内容は後述のGHSという国際基準に基づき必要な情報(化学物質の性状、危険性や毒性、安全対策など)を記載する書式になっており、化学物質の「取扱説明書」の役割をもつ資料です。
事業者が特定の化学物質やそれらを含む製品を提供する場合、化学物質の安全な使用と取扱いのために出荷時には必ずSDSを添付することが義務とされています。

MSDS、GHSとの違い

MSDSはSDSの旧名称です。日本では、2012年(平成23年度)までSDSに相当する添付文書は「MSDS(Material Safety Data Sheet : 化学物質等安全データシート)」と呼ばれていましたが、後に国際整合のためにGHSで定義されている「SDS」に名称が変更されました。

「GHS(Globally Harmonized System of Classification and Labelling of Chemicals:化学品の分類および表示に関する世界調和システム)」とは、危険有害性の種類(「物理化学的危険性」、「健康有害性」、「環境有害性」で分類される)と程度(度合をあらわす「区分」で表示)を国際的に統一されたルールで分類し、安全データシートなどを提供する国際基準システムのことです。
GHSでは化学物質の危険有害性がひと目でわかりやすいシンボルマークが決められています。たとえば、「炎」のマークは「可燃性・引火性ガス」をあらわし、「どくろ」のマークは「急性毒性」をあらわします。日本を含め世界各国で、化学製品の分類や表示についてGHSが導入されています。

SDSが必要とされる状況

日本では化学物質に係る法律は非常に多岐にわたるため、扱う化学品それぞれに対してすべての法律を網羅的に調べるのは非現実的、非効率的です。そこで活用されるのが安全データシート(SDS)です。
次のような状況でSDSの提供が求められます。

  • 税関検査 (有害化学物質のリストに掲載されている製品、またはGHS基準により危険であると分類されている場合)
  • 貨物輸送申告(製品の輸送規定に該当する場合)
  • 製品が製造工程で化学製品(漂白剤、染料など)が使用されている場合
  • 規制により危険物または危険物を含む混合物として分類された物質の場合
  • 危険物として分類されていないが、懸念のある物質「SVHC(Substances of Very High Concern:高懸念物質)」またはその他の危険な成分が一定の割合で含まれている場合
  • 基準により難分解性、生体蓄積性、毒性が高いと判断された物質が含まれる場合
  • 所管官庁または輸入業者がより厳密な安全管理のためにSDSの提供を要求した場合
  • 地域の規制により顧客がSDSの提供を要求した場合

また、化学実験を安全に行うための試薬の取扱注意事項として、取扱う事前に必要な情報を法規に則したデータベースから抜粋してSDSのリストを作成し、熟読しておくように推奨されています。

SDS対象化学物質

SDS制度の対象として定義されている化学物質は、下記のとおり「第一種指定化学物質」および「第二種指定化学物質」あわせて562物質です。
人や生態系に対して有害とされるものが対象となっており、第一種には、環境中に広く存在するものが、第二種にはそれほど量は多くないが継続的な管理が必要とされるものが指定されています。

物質の種類 物質の数 物質の例
第一種指定化学物質
(Class 1 Designated Chemical Substances)
462物質 アクリルアミド(acrylamide)
エタンチオ―ル(ethanethiol)
ジクロロベンゼン(dichlorobenzene)
第二種指定化学物質
(Class 2 Designated Chemical Substances)
100物質 ウレタン(urethane)
クロロアセトアルデヒド(chloroacetaldehyde)
ジニトロナフタレン(dinitronaphthalene)
合計 562物質

(出典:経済産業省 化管法SDS制度 対象化学物質

SDSに記載する内容

SDSには以下の16項目を記載します。
記載内容は一例であり、対象製品、対象物質により異なります。

項目名 記載内容
1)化学名及び会社情報 化学品の名称、供給者の会社名称、住所・電話番号
2)危険有害性の要約 化学品のGHS分類、GHSラベル要素、注意書き
3)組成及び成分情報 ・化学名又は一般名及び濃度又は濃度範囲など
・化学物質か混合物かの区別
・化学物質の名称
・CAS番号*
・含有量(%)
4)応急措置 病院を受診する、皮膚に付着した場合は水で洗浄するなどの対応方法
5)火災時の措置 適切な消火剤、危険有害性、消火を行う場合の注意点
6)漏出時の措置 人体、環境に対する注意事項
7)取扱い及び保管上の注意 取扱い技術的対策、接触回避など
8)ばく露防止及び保護措置 管理濃度、設備対策、保護具の使用など
9)物理的および化学的性質 物理状態、色、臭いなど基本的な物理的および化学的性質に関する情報
10)安定性及び反応性 反応性、化学的安定性など
11)有害性情報 毒性、腐食性、刺激性など毒性学的影響に関する情報
12)環境影響情報 水生環境有毒性、水溶解度、残留性など環境に関する情報
13)廃棄上の注意 規制に従って廃棄するなど
13)廃棄上の注意 規制に従って廃棄するなど
14)輸送上の注意 国連番号、正式輸送名など
15)適用法令 該当する場合は法令と物質名を記載
16)その他の情報 訓練の必要性、推奨される取扱い、制約を受ける事項、参考文献など

*CAS番号:CAS登録番号(CAS registry number)
化学物質を特定するためにアメリカ化学会の組織であるCAS (Chemical Abstracts Service)が登録を行う化学物質固有の識別番号。必ず一つの物質には一つの番号が付与されており、世界共通で利用されている。

安全データシート(SDS)を翻訳するには

安全データシート(SDS)を翻訳するには

安全データシート(SDS)は長文が何ページも続くような文書ではないので自分で英訳するという選択もあるでしょう。その際に以下のようなことが問題になってくる場合があります。

・ページ数は多くないが、情報量が多すぎて処理に時間がかかる
・提出まで期限が短く時間が足りない
・SDSの仕組みがよく分からず、調べるだけで何日か経過してしまった

また、次のように法律や化学の英語についても相応の時間をかける必要が出てきます。

SDSの書式はGHSにより統一されていますが、SDSの内容は各国の法規制に基づいて記載します。
日本では下記の法律などで危険性や有害性について指定されています。

・化管法(特定化学物質の環境への排出量の把握等及び管理の改善の促進に関する法律)
・安衛法(労働安全衛生法)
・毒劇法(毒物及び劇物取締法)

このように、国によってSDS関連法規の内容が異なっており、危険有害性分類の基準となる、GHSの分類に基づく危険有害性化学物質リストの内容も異なります。

たとえば、アメリカに輸出する製品のSDSは日本国内向けのSDSを英語に翻訳するのではなく、アメリカの法規に基づく英文のSDSを新規に作成しなければなりません。
各国の諸規制の動向を常に押さえておき、最新の国際基準で作成する必要があります。

英語翻訳なら英語が得意な人に任せよう、という考えもありますが、化学物質名は下記のようにIUPAC*名称であらわされるものもあります。

日本語表記:3-(3,5-ジクロロフェニル)-N-イソプロピル-2,4-ジオキソイミダゾリジン-1-カルボキサミド
別名:イプロジオン

英語表記:3-(3,5-dichlorophenyl)-N-isopropyl-2,4-dioxoimidazolidine-1-carboxamide; iprodione

このような表記は化学知識がないと英数字の羅列にしか見えず、英語が得意でも読むことが苦痛に感じる人もいるでしょう。一般英語翻訳とは別のスキルが求められます。

*IUPAC:化学者の国際学術機関「IUPAC(International Union of Pure and Applied Chemistry)国際純正および応用化学連合」
構造が明確な化合物に対して、わかりやすく簡単で、かつ一義的に特定の構造を表すような名称法を定めている。

安全データシート(SDS)を翻訳するには、英語力はもちろん化学知識は必須であり、対象国のSDS関連法規および有害性化学物質のリストについて精通している必要があります。

安全データシート(SDS)翻訳の料金相場

安全データシート(SDS)翻訳の料金相場

科学・工業技術野の一般的な日英翻訳サービスにおいて日本語1文字あたりの料金の目安は28円とされています。(参照:日本翻訳連盟 翻訳料金の目安 )

実際の翻訳料金は翻訳会社により幅広く設定されています。
SDSの翻訳については下記の2とおりで翻訳サービスを提供する翻訳会社が多くなっており、それぞれ料金は異なります。

1)原稿の内容をそのまま忠実に翻訳を行う
2)GHS基準に対応し、対象国の法規制に準じて翻訳を行う

安全データシート(SDS)の翻訳なら翻訳会社FUKUDAIにご相談ください

安全データシート(SDS)の翻訳なら翻訳会社FUKUDAIにご相談ください

FUKUDAIの産業技術翻訳サービスでは、各技術専門分野に精通した技術専門職(技術者、エンジニアなど)出身の翻訳者が多数在籍しております。安全データシート(SDS)の翻訳については化学分野における専門知識と化学業界での豊富な就業経験を有する翻訳者が担当させていただきます。急ぎのご依頼など納期のご相談に関しても随時対応いたします。

ぜひお気軽にお問い合わせください。