
企業が海外に進出する流れの中で、子会社や支店を設立する際に会社登記簿あるいは登記事項証明書(および会社定款)などを海外の法務局や政府の諸機関、または金融機関などに提出することを求められる場合があります。
このような文書は自力で翻訳できるのか、プロに依頼するべきものなのか迷ってしまうこともあるでしょう。今回は、海外に提出する登記簿謄本の翻訳について、実際に必要が生じた際に対応できるだけの詳しい情報を紹介します。
登記簿謄本の翻訳について

海外進出時の登記簿謄本などの書類については、翻訳したものの同時提出を求められることがほとんどです。このような場合、諸外国においては翻訳の公平性も要求されます。ここではまず、登記簿謄本の翻訳について解説します。
登記簿謄本の英語翻訳とは
登記簿謄本の英語翻訳は、極めて専門性が高い作業となります。というのも英語力だけの問題ではなく、法律に関する素養も併せ持った翻訳者でなければ、適切な翻訳が期待できないからです。
よって、登記簿謄本などの公文書の翻訳は、第三者である翻訳会社に翻訳作業を委託して、真正かつ正確な翻訳文であることを証明するための「翻訳証明書」を併せて提出することが一般的です。
登記簿謄本は自力で翻訳できるのか?
登記簿謄本を自力で翻訳できるか否かという問題に関しては、テクニカルな面だけでいえば「できる」といえるでしょう。もちろん普段は使わない法律用語が出てくるので、簡単ではありません。
じっくり時間をかけて調べれば、できないことはありません。しかしテクニカルな面で翻訳ができたとして、法務面ではどうでしょうか。
法律翻訳のエキスパートの存在
テクニカルな面には自力で翻訳できても、法務面から考えると「翻訳することはほぼ不可能」と捉えるべきです。なぜなら、翻訳に関する認定制度がある国が多いためです。
つまり「公文書の翻訳はcertified translationであること」あるいは「公文書の翻訳はcertified translatorによってなされること」などの条件を設けていることが多いのです。certified translatorとは認定翻訳者という意味です。
海外に提出する際の翻訳には「翻訳証明書がないと公文書とはみなされない」といわれるくらい翻訳証明書は重要です。日本においては翻訳者に国家資格はありませんが、「信頼できる翻訳会社」が発行する翻訳証明書を添付することで対応できます。
登記簿謄本翻訳を翻訳会社に任せる際の注意

以上のことから、登記簿謄本の翻訳に関しては最終的には翻訳の専門家である翻訳会社に任せることが賢明です。ここからは、翻訳会社に登記簿謄本の翻訳を実際に依頼するときに、注意すべき項目について触れておきましょう。
依頼したい言語が得意かどうか
まず、必要な翻訳の対象言語に翻訳会社が精通しているかどうかを見極めなければなりません。英語、中国語(中文簡体字)台湾語(繁体字)、韓国語、インドネシア語、タイ語あるいはベトナム語、など依頼したい言語の翻訳が実際に得意かどうかです。
翻訳会社が翻訳に対応している言語に関しては、サイトやパンフレットなどを見て必ず確認しましょう。単に扱えるというだけでは不十分です。過去の翻訳実績や利用者の声が閲覧できる場合、それらもチェックしましょう。
無料お試し翻訳があれば利用してみる
翻訳会社の中には「翻訳トライアル」、すなわちお試しとして無料で翻訳するサービスを行なっている会社もあります。
文字数150字程度の原文の翻訳を依頼し、どのような翻訳がなされるか、正確かつ洗練されているかを見極め、依頼すべきかどうかの判断材料になります。こういったノーリスクのサービスも積極的に活用しましょう。弊社FUKUDAIでも無料トライアルを実施中です。
法律翻訳のエキスパートが在籍しているか
法律や法務および契約書などのエキスパートが在籍しているかどうかも、翻訳会社のサイトやオウンドメディア、パンフレットなどで確認ができます。そもそも在籍していなければ記載できないので、有効な判断材料のひとつです。
弊社FUKUDAIの契約書翻訳・法律翻訳サービスについては、国外でのビジネス経験を有するエキスパートが数多く在籍しております。国別の法律や規則の違いはもとより、文化や慣習の違いにも精通していることが、正確で洗練された品質の翻訳に反映されます。
翻訳の最終段階での校正作業においても、ベテランの法務経験者によるチェック体制が万全なので、高いクオリティの成果物を提供できます。品質面以外でも納期・予算・用語管理についても、最適な提案を心掛けております。
信頼できる翻訳会社の必須条件

数ある翻訳会社ですが、翻訳のグレードに関しては前述の見極め方である程度判断ができるでしょう。しかしそれだけで安心できません。以下の項目も注意してチェックしてください。
見積もり等の対応は迅速かどうか
ほとんどの翻訳会社では、見積もりに関しては無料で対応しています。いくつか気になる翻訳会社のサイトから問い合わせて、「相見積もり」を取るのもよいでしょう。
その際に、条件や料金はもちろんとして、対応の迅速さなども比較してみるのが堅実な選び方です。問い合わせに速やかな反応があり、問い合わせ内容に対する適切で妥当な回答が得られるなら、まずその翻訳会社は信頼に値するでしょう。
通常、最初の問い合わせはメールや問い合わせフォームを利用するものですが、対応の雰囲気を実感するためにあえて電話でコンタクトを取るという方法もあります。
見積もりは料金以外にも、発注から納品までのタイムスケジュールも確認して、翻訳会社の能力やキャパシティを比較しましょう。ただし、納期は早いほうがよいとは限りません。極端に早い場合は、翻訳クオリティが問題ないのかを疑ってみる必要があります。
専門性や難易度が高い分野の文書の翻訳であれば、ある程度時間がかかるのは当然です。また、翻訳文字数によっても納期は異なります。複数の翻訳会社を比較すれば、おおよその平均的な対応がどれくらいの期間なのかが見えてくるでしょう。
ネイティブチェックが行われているか
信頼できる翻訳会社であれば、確かな翻訳水準を維持するためのチェック体制が充実しています。つまり、翻訳した原稿を完成品とするまでに、複数の専門スタッフによっていくつかのプロセスを経てようやく仕上げられるのです。
一例としては、まずある翻訳者が一次翻訳を行い、次に別の翻訳者が誤訳や翻訳漏れのミスがないか、適切な専門用語が使用されているか、表記揺れがなく原稿内でスタイルが統一されているかなどをチェックします。
そして最終段階で「ネイティブチェック」が行われるかどうかも翻訳会社見極めの大事なポイントです。これはその言語を母語とする翻訳者が読んでみて、違和感がなくわかりやすいか、洗練されているかなどをチェックする作業です。
とりわけ公正性の高い文書を翻訳する際は、ネイティブチェックによって翻訳の品質を決定的なものにできます。これは料金内に含まれているデフォルトの場合もあれば、オプションの場合もあります。弊社FUKUDAIではデフォルトとしてネイティブチェックを行っています。
品質と料金が見合っているか
最後に重要な部分がコストです。翻訳料金に関しては各翻訳会社のサイトで確認はできます。とはいえ、安ければよいというわけでもありません。ポイントは品質と翻訳料金のバランスです。
翻訳の品質と料金が見合っているかが重要ですが、もちろん実際に成果物を見るまでは見込みとして捉えるしかありません。これまで紹介してきたいくつかの判断材料から、品質を想定して比較してください。
登記簿謄本の翻訳でお困りの際はぜひ翻訳会社FUKUDAIへご相談ください

今回紹介した登記簿謄本などの公文書の翻訳はもちろんとして、多言語サイトの翻訳にも弊社FUKUDAIにお声掛けください。多言語サイトの制作や運営は、海外からの新規顧客獲得や集客、競合他者との差別化など多大なメリットがあります。
グローバル社会が企業に求めている多言語サイトは、企業にとってあって当たり前の時代になりました。事業拡大に繋がる多言語サイトを制作・運営するために、コンテンツの翻訳クオリティの確保は、ぜひとも翻訳会社FUKUDAIまでお気軽にご相談ください。
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