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2020.10.05

中国語を和訳するときに起こりがちな誤訳と対処法を詳しく紹介!

中国語を和訳する場合、ともに同じ漢字を使う言語だからこそ生じる誤訳があります。日本語の漢字は中国語を起原としていますが、それぞれの漢字は長い時間を経て大きく変化してきました。そのため、中国語を和訳する際には、ポイントを押さえながら翻訳する必要があります。

そこで今回は、はじめに中国語と日本語の異なる点から説明します。そして次に、和訳をする際に誤訳になりがちなケースと誤訳を防ぐ対処法を紹介しますので、中国語を和訳するときの参考にしてください。

中国語と日本語の異なる点とは

中国語と日本語の異なる点とは

はじめに、中国語と日本語の異なる点について、詳しく説明しましょう。

同じ漢字でも和訳すると意味が異なる

ある言葉は長い歴史のなかで変化していき、もともとの意味とは異なる意味を持つようになります。場合によっては、全く反対の意味を成すことも珍しくありません。

先程も述べましたが、日本語の漢字は中国語を起源としています。現代において、同じ漢字(同形語)が異なる意味を持つのは、中国と日本、双方の国でそれぞれ変化してきたからです。

例えば、日本語の「手紙」は、中国語では「トイレットペーパー」のことを指します。また日本語の「愛人」は、中国語では「夫や妻、配偶者」という意味です。その漢字が持つイメージのままに文章を読むと、全く意味が通じなくなるばかりか反対の意味を成すこともあり得ると容易に想像できるのではないでしょうか。

このように中国語と日本語では、同じ漢字(同形語)でも意味が異なることが少なくないのです。

中国語とは外来語の表記が異なる

日本語では、ひらがな、カタカナ、漢字と3つの種類の文字を使い分けます。そのうちのカタカナは、表音文字といわれる文字で、音で意味を伝えます。もともとカタカナは、漢字で書かれた仏教経典を正確に読むために生み出された文字なのです。

カタカナの表音文字に対して、漢字は見て意味がわかる「表意文字」です。中国語は表意文字の漢字だけが使われているため、外来語を訳す場合は「音訳」と「意訳」という2つの方法で訳します。

例えば人名を中国語に訳す場合は、もとの音に近い漢字で表す「音訳」が使われることが多いでしょう。例を挙げると、ニュートンは「牛頓」、マルクスは「馬克思」です。中国では「牛」や「馬」といった姓が多く見られるため、人名だと連想されやすいように、よく「牛」や「馬」といった文字が使われます。

また「意訳」の例としては、よく目にするものに「電脳」(コンピューター)や「伝真」(ファックス)、「熱狗」(ホットドック)などがあります。

中国語は動詞の表現が豊富

中国語は日本語に比べて、動詞の表現が豊かです。例えば、日本語の「〜飲む」に当たる中国語は、次のようにいくつかあります。太字の文字が、日本語の「〜飲む」に当たります。

・私は酒を飲んだ=我喝了酒
・彼は漢方の丸薬を飲み込んだ=他把中药丸吞进去了
・私はつばを飲み込んだ=我咽了一口唾沫

このように、日本語の「〜飲む」に当たる動詞は中国語にはいくつかあるため、翻訳をする際には適した動詞を選ぶ必要があります。「〜飲む」だけでなくほかの動詞も同様で、安易に知っている言葉を使い回すと誤訳になるため注意が必要です。

中国語を和訳する際の誤訳とは

中国語を和訳する際の誤訳とは

中国語を和訳するときには、どのようなポイントで誤訳が生じるのでしょうか。

同じ漢字(同形語)による誤訳

中国語を和訳する際には、同じ漢字(同形語)でも、意味が全く異なる同形異義語と、一部の意味が共通する同形類義語に注意が必要です。

同形異義語の例を挙げると、中国語の「可怜」は「かわいそう、哀れ」という意味ですが、日本語の「可憐」は「姿や形がかわいらしいさま」を意味します。

同形類義語の例では、「要求」があります。「要求」は、中国語でも日本語でも「必要なこととして、また、当然の権利として求めること」を意味しますが、中国語はさらに「希望する、要望する」と日本語よりも広い意味を持っています。

数量詞による誤訳

中国語を和訳する際には、数量詞の誤訳も起こりがちです。

例えば、中国語の「我有一个好办法」を「1つのいいアイデアが浮かんだ」と和訳すると不自然です。この場合は、数量詞の「1つ」を訳さず、「いいアイデアが浮かんだ」という和訳が自然でしょう。日本語の場合、数が「1つ」や「1個」であれば、特別な意味がない限り、わざわざ言及することはありません。

また、中国語と日本語のいずれも、対象によって用いる数量詞は異なります。中国語の数量詞を和訳するときには、適切な日本語の数量詞を使う必要があります。

人称代名詞から生じる誤訳

中国語は、文中に人称代名詞を使い、文章の意味をはっきりとさせます。一方、日本語は、人称代名詞を省くことが多いでしょう。

例えば、「朋友给了我一辆自行车」という文章は、「友達が私に1台の自転車をくれた」と和訳するとやや不自然です。日本語では、「友達が自転車をくれた」のほうがより自然でしょう。

形容詞や動詞の誤訳

形容詞や動詞の和訳でも、誤訳は起こりがちです。中国語は語尾に「了」をつけることで、過去を表します。しかしながら「昨天很热」のように、過去のことを表す形容詞の場合は「了」を用いません。和訳するときは、「昨日は暑い」ではなく「昨日は暑かった」が正解です。

また動詞についても、中国語は文中に明示する傾向にありますが、日本語では省略することが多いでしょう。「我喜欢吃点心」を和訳するときには、「私はおやつを食べるのが好きです」ではなく、「私はおやつが好きです」がより自然です。

ことわざや熟語などの誤訳

ことわざや慣用句は、その国の文化を色濃く表すものです。ところが中国と日本は、古代から文化的なつながりも強いため、同じような意味を持つことわざや慣用句は少なくありません。

一方で、それぞれ独自に発展したものや、完全にその国にでしか使わないことわざや慣用句もあります。異なる意味のことわざや慣用句を和訳するときには、いかに日本語らしく訳すかが翻訳者の腕の見せ所でしょう。

また、中国語独特の熟語を、日本人にわかりやすく和訳するのも難しいところです。例えば「我等了半天也没来,就先赶过来了」は、「半日待ったが、彼はとうとう来なかったのでこちらに駆けつけた」は誤訳であり、「だいぶ待ったが、彼はとうとう来なかったのでとりあえずこちらに駆けつけた」が正しい和訳です。

中国語の「半天」は、日本語の「半日」という時間を表す言葉ではなく、「だいぶ待った」という期待の気持ちを表します。

受身文で生じる誤訳

中国語では、「~される」という受動表現はあまり使われませんが、日本語ではよく用いられます。原文の中国語に受動表現がなくとも、和訳する際には、受動表現のほうがより自然になるので注意が必要でしょう。

和訳するときに誤訳をなくす対処法とは

和訳するときに誤訳をなくす対処法とは

それでは、中国語を和訳するときに、誤訳をなくすにはどのような対処法が考えられるでしょうか。

専門用語や固有名詞を正しく和訳する

専門用語や固有名詞を正しく和訳するには、専門の辞書や参考書、過去の新聞記事などで確認することが不可欠です。

例えば、中国語の「有綫電視」は「ケーブルテレビ」、「数据通信」は「データ通信」、莎士比亞は「シェークスピア」というように、日本ではどのような言葉が使われているのか、一つ一つ丁寧に確認する必要があります。

安易に原文の漢字をそのまま使わない

中国語と日本語は、漢字という同じ文字を使うために、中国語の漢字をそのまま使ってしまいがちです。同じ漢字であっても異なる意味のことも多く、和訳する際には、その漢字が意味する正しい日本語なのかを常に気をつけなければなりません。

中国語独特の表現は言い換えて訳す

中国語特有の表現は、思いっきり日本語に言い換えて訳す必要があります。特にキャッチフレーズやスローガンのような場合は、辞書に載っている訳をそのまま使うのではなく、意訳して日本語らしくするほうがより自然な表現となるでしょう。

和訳するときは動詞をメインにする

中国語の構造をそのまま日本語に当てはめると、分かりにくい表現となってしまいます。

例えば、中国語の「譲所有的人都能很方便的取得」をそのまま訳すと、「全ての人々にとても便利に取り出せるようにさせる」となってしまい、意味は通じますが不自然といわざるをえないでしょう。ここは、「だれでも便利にデータを入手できる」が分かりやすく適切な和訳です。

このように和訳するときは、中国語の文章の構造から離れて、動詞をメインに和訳したほうがより自然な訳文に仕上がります。

中国語を和訳する手順とは

中国語を和訳する手順とは

中国語を和訳するには、次の2つの手順を踏んで翻訳作業を行います。

はじめに、中国語を正しく和訳する

はじめに、中国語をおおまかに和訳します。この段階では、google翻訳などオンラインの翻訳サービスなども活用しながら作業を進めることが多いでしょう。

昨今のgoogle翻訳は、膨大な翻訳データをコンピューターに学習させることで、かなりレベルの高い翻訳となっています。

次に、読みやすい日本語の文章に仕上げる

原文をもとに、1文ずつ正確に訳していきます。この段階では、まだ文章としての流暢さなどは考えず、間違いなく和訳することが大切です。最後に、日本人にとって違和感のない、自然な訳文に仕上げていきます。

中国語を和訳するなら、豊富な実績を誇る翻訳会社FUKUDAIがおすすめです。

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中国語と日本語は、漢字という同じ文字を使う言語です。全く異なる意味の漢字や似た意味の漢字、同じ意味の漢字と、同じ漢字だからこそ複雑で誤訳が生まれやすいといえます。そのため中国語を和訳する際には、中国語翻訳を得意とする翻訳会社に依頼することが欠かせないでしょう。

今後も、中華圏からのインバウンドは増えていくことが予想され、中国語翻訳の需要はますます高まることでしょう。中国語翻訳なら、中国語翻訳に豊富な実績をほこる翻訳会社FUKUDAIがおすすめです。

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